千葉の地酒モニター事例発表

第六回モニター酒 「岩の井 山廃純米原酒」


蔵元:岩瀬酒造
夷隅郡御宿町久保1916

酒データ:
●原料米/山田錦 ●精米歩合/60%
●アルコール度/17〜17.9度
●日本酒度/0〜+2 ●酸度/2.0〜2.2
当店価格:720ml 1537円(税込)
                           
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加藤ひろみさんの評価

お世話になっております。
今回で最後のモニターとうことでなんだか物悲しくなってしまいます。

1.色つや、香り : 70点
通常呑んでいる日本酒と比べて特に違和感のないものでした。逆に個性の強さは感じられませんでしたので抵抗なく試飲に望むことができました。
山廃仕込みという特殊性を念頭に置き、すこし個性的なものと思い込んでいたせいかもしれませんが、一般的な色つや、香りでほっとしたのも事実です。

2. 味わい、口当たり : 85点
純米酒はあまり得意な分野ではない私ですが、前回のモニターのお酒と違い大変口当たりがよいと思いました。 冷蔵して呑むという形をとりました。 肴はとくにこだわることなくなんにでも合わせられる味でした。
お互いの味を殺すことなく素直にそれぞれの肴を楽しみながら 呑むこ
とが出来ました。
お燗をして呑むには適している味ではないように思えました。

3. 総評 :  80点
どちらかというとフルーティー派の私としては、今回の岩の井は合格点です。

モニター全体としての感想

正直申し上げて、今まで千葉県のお酒を呑もうを思ったことはありませんでした。
どうしても 東北及び近畿地方の有名銘柄に手が行ってしまうか、一般的に市販されていて価格的に合うものであればという観点にて選択をしていました。
このモニターに参加させて頂いたお陰で千葉産のお酒を呑む機会に恵まれたこと本当によかったと思っています。 あまり偏見を持たずにお酒を楽しむという楽しみを知ったこと大変うれしく思います。
また 今回は純米酒ということでしたので、相当抵抗があったのですが、一言で純米酒といっても幅広いものであることの認識をあらたにさせていただきました。
長期にわたるモニター参加にたいへんよき思い出が出来ました。
有難うございます。 今度千葉のお酒を呑む機会があったときにはきっとこのモニターのことを思い出さずにはいられないことでしょう。
つたないモニターコメントでしたが少しはお役に立てばと思っております。


樋口博美さんの評価

こんばんは、秋田のモニター樋口です
山廃純米原酒「岩の井」のモニターです

色つや・香り      6点
味わい・口当たり   8点(最高点です)

総評

この酒はいろいろ意見が分かれると思う。
他の人たちは、重いとか、いろいろいうかもしれない。
けど、千葉の酒にしては珍しく秋田県人には合っていた。
前回、まるで千葉の酒がまずくて飲めなかった友人が普通に飲んでいた。もちろん自分も。
度数が高いというのもあるかもしれないが、これは秋田にも受けると思う。
今までいろんなお酒が送られて来たけど、千葉のお酒では一番秋田県人受けがするお酒だと思う。
今までの中で一番いい酒だ。こんなお酒があるならばもっと早くに出してほしいと思った。
ただ、他の人たちに受け入れられるかは別問題。薄口のお酒(*スイーティー)がいいという人には受け入れないと思う。これは仕方のないことだと思う。
ただ、欲を言えば、後味が物足りない。秋田の酒は、飲んでからも、のどの奥に余韻が残っている。これは秋田の酒を飲んでいないとわからないと思う。
千葉のお酒(送られてきたお酒)では最高です。

以上、ありがとうございました。

*注)スイーティ→フルーティの間違いか?

ミスターAさんの評価

【岩の井 山廃 純米原酒の感想】

1、色つや・香り 7点
山廃特有の香があり、山吹色がかっている。
山廃だというのは、香でわかる。

2、味わい・口当たり 6点
常温で呑むと、おとなしく・滑らかな酒質。山廃原酒としては、おとなしいほう。ぬる燗をつけても、おもったより味はふくらまず、おとなしいまま。口に含んでしばらくしてから、苦味がずっとー持続する。温度を上げた分だけ、最期に酸を感じるが、苦味は舌にのこる。

3、総評 6点
<山廃><原酒>という言葉から想像する以上に、おとなしい(上品な?)酒質。
味気ないという意味ではなく、ぬる燗をつけると、味が豊かに脹らみ、舌にジュワっと酸がひろがるタイプではない。
このあたり、自分の好みとすこし外れる。味わいの点では、苦味が持続するのが、苦手。そのせいで、つまみなしでは、のみづらい。

【モニター全体を等しての感想 『千葉の酒を飲んで…』】
1.モニターとしての感想
まず、1年間にわたって、千葉県の酒モニターをさせていただいたことに、感謝しています。ありがとうございました。
千葉県のお酒は、モニターするまで呑んだ事がなかったように思います。
今までのモニターとしての体験を通じて、千葉県のお酒について持った印象は、およそ次のとおりです。
《インパクトのある香味の酒はすくないが、滋味のある味わいで、それぞれの蔵が基本的に地元消費を意識したつくりをしている。また、その中で蔵のオリジナリティーをだそうとしているという印象ももった。
醤油系のつまみと相性がよさそうな、熟成系・山廃系のお酒が印象的だった。
そして、最初に呑んだ「稲花正宗 純米かもし酒」以外のお酒は、じっくりと酒を呑みながら煮物や佃煮を突きたくなるような感じがした。とくに、首都圏でもてはやされるような、分かりやすくて香味のインパクトのあるお酒は少ないのではないかと思う。
しかし、千葉県の食文化とあわせて、やはり、どこの県にもまけない相性があり、魅了するのではないかと思う。》


猿田様 猿田寿男さんの評価

1、色つや・香り・・・6点
原酒と思わせる黄濁の濃さを現している。香りは、ツンと来るが、あまり良い主張はない。

2、味わい・口当たり・・6点
口の裏にもったりとした味わいを感じる。結構強く感じる。酒の上品さは感じられない。

3、総評・・・6点
少し甘い感じの酒であるが、口の中でエゴ味を感じさせ、余りうまい酒とは思いません。
もう少し、きりっとした味が欲しいものです。

モニター全体を通した感想
私は県内在住なので、千葉の酒を飲む機会が多いのですが、今回のモニターは改めて大変参考になりました。
酒は、新潟、山形といわれますが、千葉も負けずに良い酒を生産しているところです。
今回のモニターの酒でも、それ相当の値段でおいしい酒があることが解かりました。   
特に、おいしい酒は、(腰古井純米無ろ過生原酒)などはおいしい酒でした。
いずれにしても、千葉は、良い水、酒米もありますし、もっと全国に千葉の酒をPRする事が大事ですので、鎌田さんのこの様な企画はすばらしいことと思います。

この1年大変お世話になりました。
鎌田酒店の益々のご発展をお祈りいたします。


小島潤二さんの評価

いよいよ最後になってしまいましたが、報告をいたします。

1 色つや・香り  7.5点
2 味わい・口当たり 8点
3 総評

 「山廃生酒(*生ではありません)」ということで、かなり癖のあるものを予想しましたが、そんなことはなく意外にさらっと飲めました。
普段から純米の腰の強い酒を飲んでいるせいかもしれません。しかし、淡麗というわけにはいきませんので、食べるものは選びます。どちらかというと味の濃い肴・油系のものと合うと思います。つまり、一般的な晩飯の晩酌用の酒としては良いのでは思われます。「山廃」の香りが苦手の方もおられると思いますが、私には抵抗がありませんでした。

1年間のモニターを終えて
千葉の酒の感想としては、全般に甘口(濃い)という印象が残りました。
気に入った酒云々ですが、1回ごとのレポートに書いたとおりですので、これといって一つに絞り込むことはできません。悪しからずご了承下さい。
以上です。1年間有り難うございました。

【寸評】
 さて今回で最後のモニター発表となりました。大トリを飾るのは千葉を代表する山廃蔵「御宿の岩の井」だ。岩の井はその個性的な味わいから各書籍の地酒特集などに千葉酒としては珍しく良く取り上げられ、全国にファンをもつ。さてその評価はいかに!

 今回山廃ということで、うかつにも「個性的で好き嫌いがあるかも?」と事前に情報をモニターの方に与えてしまいました。しかし意外と返ってきた声は、呑みやすいという声が多かったのです。

 まず香りにおいては、山廃の純米ということで香りについては特出する部分は無かったようです。全体にその辺りは共通で、オーソドックスな山廃純米の香りを唯一加藤さんが「ホッとする」と表現しています。
また酒色については「山吹色」の酒色を山廃の特徴ととらえて、素直に受け入れて頂けました。その辺りはすでに山廃酒が充分に市場に浸透している様が見て取れます。

 さて問題の味わいですが、思ったような評価になりました。今まで「千葉の酒は薄すぎる」といって憚らなかった樋口さんが、初めて「旨い!」と言って下さいました。
これは快挙ではないでしょうか。秋田は生モト仕込みの本場ですが、そこで好印象をされたことは、山廃酒として評価に値すると思います。
 また純米酒苦手の加藤さんにも「大変口当たりがよい」「肴との相性がよい」といただき、淡麗純米派の小島さんにも「意外にさらっと飲めた」「抵抗ない」と意外と良い評価。
 しかし反面、ミスターAさんは「自分の好む山廃とは少し異なる」といわれ、評価を下げました。また猿田さんも「もったりとして、あまり旨くない」といわれ「キレのなさを指摘しています。
 味わいに関しては一見正反対ですが、個人の好みや見方を変えただけで実にこの酒を物語っています。

 この酒は県内では珍しい山廃造りの酒で、まして原酒ということで濃厚な味わいを持っています。味わいが複雑で辛みもあるが、甘みもかなり感じます。その濃醇なところから樋口さんには故郷の秋田の酒を連想するところがあったのでしょう。
 また甘み成分が多かったことが加藤さんにも受けた理由かもしれません。

 その反面、味わい成分の多さが「もったりしている」とか「キレがない」とかいうところにも影響しています。この辺は私は「この酒はそういう酒だ」と許してしまいますが、同じ生モト系の酒でももっと洗練されてキレのよい酒もあるので、ミスターAさんの指摘はそういう酒との比較だとおもいます。
 確かにこの酒は旨さは充分にあるが、田舎臭さも拭いきれない所もあり、『それも個性!これで良し』とするか『もう一皮むけて、メジャーを目指すか』そんな岐路に立っている酒かもしれませんね。私は千葉県酒で一番メジャーに近い酒、ていうか「いつか必ず注目される酒」ではないかと思っています。

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