千葉の地酒モニター事例発表

第五回モニター酒 「東薫 吟醸二人静」


蔵元:東薫酒造
千葉県佐原市佐原イ-627

酒データ:
●原料米/美山錦 ●精米歩合/55%以下
●アルコール度/15〜16度
●日本酒度/+3 ●酸度/1.4
当店価格:720ml 1437円(税込)
                           
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加藤ひろみさんの評価

冷蔵庫でキンキンに冷やした状態で試飲を致しました。

1. 色。香り  30点
色合いは 特に他の日本酒と比べて変わりがなく思いました。
香りに関しては、大変アルコールを感じ、飲み物というよりも薬品系の香りを想像させるものがありました。

2. 味わい・口当たり 30点
味わいは日本酒を飲んでいるというよりも揮発性の強い多少酸味の強い飲み物という印象がありました。
いつも何の肴に合わせようかと考えるのですが、今回は相性の合う肴が思い当たリませんでした。とても自己主張の強いお酒という感じがし、ちょっと私好みとはいえないお酒でした。

3. 総評 30点
何か違和感を持ちながら呑んだという印象があります。 日本酒らしさがあまり無かったように思えました。好き嫌いがはっきりと分かれるお酒だとおもいます。



樋口博美さんの評価

今回の「二人静」いい名前ですねえ。名前は気に入りました。      さて、中身の問題ですが、
1、色つや・香り     5点
まあ可もなく不可もなく、といったところです

2、味わい・口当たり  2点
これには参った。なんと薄い酒だろう

3、総評
フルーティといえば聞こえはいいけれど単なる薄い酒じゃないかと思います。酒本来の深み・味わいもないし、飲んだ後の余韻もないし本当に薄い酒だと思います。 秋田の濃い系の酒を飲んでる自分としては飲みたくない酒です。
これで1437円は高すぎです。秋田には1000円でももっと美味しい酒がたくさんありますよ。

ミスターAさんの評価

@色つや・香り=6点
吟醸香は、個人的に苦手なタイプ。美山錦によくある、鼻につくツンとする香。爽やかだ受けとる人もいると思うけれども・・。

A味わい・口当たり=5点
冷やしてみました。含み香が高く、食事には合いませんでした(ちなみにカニと合わせてみました)。
立ち香よりも、さらに含み香が強烈で個人的にはくどい感じです。香で、胸がいっぱいになってしまって、盃が進みません。
味わいは、吟醸にしてはあるほうだと思います。酸味が全体的に感じられながら、下の上のソフトに味が広がりますが、やや引きが悪く、アルコールの苦味が残る感じで、夏に呑むには重めだと感じました。
思いっきり、キンキンに冷やして、お酒だけで食前・食後に飲むのが妥当だと感じました。

B総評=5点
厳しい評価になってしまいました。
今回のお酒が、私の苦手なタイプにすっぽりはまってしまいました(笑)
今回は、美山錦の55%精米の吟醸でしたが、私の中の吟醸のイメージは「精米50%でアル添してあり、キレをよくしてあるお酒」なので、ちょっとイメージと違いました。
規格上は60%以上でokなんですけれども。蔵元さんによっても、売り方はいろいろあると思います。吟醸酒の酒質のものを本醸造表示で売り出したり(その逆もありますけれども・・。)など。
呑む側にとっても、精米歩合が低くても呑んだときに「吟醸クラスだな」と感じるお酒もあれば、吟醸の表示がしてあるのに本醸造以下の味しか感じられないこともあります。
そういうわけで、蔵元さんが、精米歩合が50%でも味わいが(純米吟醸というよりは)純米酒だと感じた場合、「純米酒」として売ってくださると、私は非常に安心して、かつ納得して購入し呑めるのです。(あくまでも、わたしの場合です(笑))
実は、私が普段買う日本酒は、多い順に純米吟醸>大吟醸・純米大吟醸・(特別)純米>>>吟醸>本醸造なのです。
なにを言いたいかといいますと、私は基本的に「香と味のバランスのいい純米好きな部類」なんです。いわゆる古酒についても、圧倒的にアル添よりも純米酒のほうを選びます。
燗をつけたときの、純米古酒の丸みと優しい後味が好きだからです。
大吟を買う場合でも、寝かせることを考えたりして大吟原酒や斗瓶取りの場合がほとんどです。
いわゆる普通のアル添吟醸・本醸造はめったに買わないのです。
なぜかといえば、(偏見かもしれませんが、)このあたりの商品は、「香が中心のもの、味が薄っぺらいもの、後味にアルコールの苦味を感じるもの、香にツンとしたアルコール臭を感じるもの」など、私が苦手とするタイプのお酒が多いからです。

今回のお酒は、
@)自分にとっては、バランス的に香が強すぎたこと
A)自分にとっては、冷やして呑んでも、夏呑むには重いタイプだったこと以上のことが、評価を低くしたのだと思います。
夏は、焼酎、ビールに移行することもありますが、日本酒も相変わらず頂きます。しかし後味が重いものなどもあるので、やや日本酒を消費する量が落ちてしまうわけです(笑)
私も、氷結させてみたり、ロックで呑んだりいろいろ試しますが、いまいちピンと来る呑みかたが思いつきません(笑)


猿田寿男さんの評価

「二人静」の味について総括で報告させていただきます。
この酒は、東薫の主力の酒だけあって、さすがにキレ、コク、滑らかさにおいて値段相当からすると最高の味と思います。冷やして飲むのが絶対です。
点数は、8点です。

 注)今回猿田さんは自身の都合で詳しい報告をいただけませんでした。従って急遽、総括したご意見だけ取り上げさせて頂きました。次回より通常どおりご報告頂けるのことです。


小島潤二さんの評価

1、色つや・香り      6点
あまり癖のない香りです。

2、味わい・口当たり   7点
口当たりは柔らかく、癖のない味わいです。

3、総評          7.5点
久しぶりの純米酒ではない酒でしたが、それほど抵抗無く飲めました。
全体的に飲みやすく、常温でも、冷でも飲みやすく感じました。。肴には、基本的には何でも合うと思われます。
強いていえば、しばらく飲んでいるとようやく(?)というべきでしょうか、醸造用アルコールを感じさせるようになります。しかし、意識しなければ純米酒との違いが分かりにくいのでは・・・

料理は大抵のものに合うと思われます。値段次第ですが、普段の酒として飲むには適しているのではないでしょうか?

【寸評】
 今回のモニター発表が大変遅れてしまったことを、まずお詫び申し上げます。

 さて今回モニターして頂いた酒は佐原の名酒「東薫」の吟醸酒二人静です。
東薫といえば千葉の酒の中でも名酒と知られ、東京を始め全国にファンがいる蔵で、南部杜氏の名匠「及川」杜氏のいる蔵としても知る人も多いでしょう。また佐原は江戸時代から関東灘といわれ酒所として有名なところでした。
二人静はその中でも主力の吟醸酒で、吟醸酒造りに猛る当蔵を代表する酒です。さてどんな評価をもらえたかというと…ちょっと意外な結果でした。

 この酒の特徴は吟醸酒そのものの高い香りと滑らかな口当たりだと思われます。その香りに関しては小島さんは「クセのない香り」と評価しましたが、ミスターAさんは「吟醸香が個人的に苦手」で鼻にツンとつく、加藤さんはアルコール感を感じとられました。

 味わいに関しては小島さんは「純米酒でなくても抵抗無く飲める」といい、たいていの料理にも合うといわれましたが、加藤さん、ミスターAさんは同じように「酒が主張しすぎて料理に合わない」と感じされたようです。
 また猿田さんは「値段相当からすると最高の味」と評価しましたが、秋田の樋口さんは「なんと薄い酒だろう」といっています。

 いつもの事ながら飲まれる人の好みで全く評価が分かれたようです。淡麗な純米酒好きな小島さんはそれなりの評価を頂きましたが、同様に純米(吟醸)酒がお好きのミスターAさんは全く駄目なタイプとなりました。加藤さんも同様で、樋口さんは「全く反対の理由」で駄目というところが面白いですね。
 吟醸酒はバブルの頃まで、従来の日本酒にない華やかな香りと滑らかな口当たりが受けて一時地酒ブームの牽引車でした。酒バーでキンキンに冷えた吟醸酒をショットで飲むなんて風俗も流行ました。しかし現在ではより本格的な純米酒にブームが移り、より搾り立てに近い無濾過ブームとなっています。
 香りの高い吟醸酒はその香りが仇となり「食事のじゃまになる」とか、「アルコールを使った酒は本物じゃない」とかいわれ酒通からは敬遠され気味です。今回もアルコールに関する指摘もありました。

 東薫は高い香りのある吟醸酒の得意な蔵で、大吟醸の「叶」をはじめとする吟醸酒で高い評価を得てきました。しかし時代が変わり吟醸酒離れが進むと共に酒造りの方向性も変わりつつあります。現在はしっかりとした造りの純米酒も造るようになりました。しかしブームは去ったといえど、その香りの良さと滑らかな口当たりは食中酒として飲むのではなく、デザートワインにようにそれのみを少量だけたしなむといったスタイルには希少な日本酒であり、まだまだ捨てがたい存在感のあるものだと思われます。皆さんもTPOにあわせてチョイスしてみて下さい。
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