千葉の地酒モニター事例発表

第二回モニター酒 「徳明 純米の酒」


蔵元:飯田酒造場
千葉県銚子市清川町2-1-2
酒データ:
●原料米/山田錦・八反錦・あけぼの ●精米歩合/平均66.8%以下
●アルコール度/15〜16度 ●日本酒度/-8.0 ●酸度/1.8
当店価格:720ml 881円
                           

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加藤ひろみさんの評価

実はわたしは純米酒がとても苦手な分野なのです。
なんとなくごま油のようなマッタリとした味で舌に残ってしまうのがとても
苦手なのです。今回 純米酒 が送られてきたので大変に躊躇してしまいましたが、とにかく飲んでみないことには始まらないので勇気を奮って挑戦しました。
なんと、わたしが今まで呑んだ経験のある純米酒と違って大変呑みやすいのには驚いてしまいました。
色、つや、は特に違和感を感じませんでしたし、香りに関しては想像していたしつこさのあるきつい香りと全く違って香ばしいかおりで抵抗なく呑むことが出来ました。
口当たりは大変にフルーティーな感じを受けました。 辛口で大変に料理とマッチしやすい味わいでした。
総評としては、今まで敬遠気味であった純米酒の先見がなくなったことが私にとってとても価値ある経験でした。 こんな機会がなければ一生偏見を抱いていたと思います。

樋口博美さんの評価

@色つや・香り=5点
A味わい・口当たり=味6.5点
B総評=今回は50代5人、40代8人、うち女性2人という構成です
今回比べたのは秋田の純米生酒です。
みんな意見
○おいしい(40代数名)
○カクテルにするとよいかもしれない(サムライ等)
○のどに刺激がない
○秋田の酒のほうが美味しい
○味噌のにおいがする(50代数名)
○原料の使い方が間違っているんじゃないか
○この原料を使っている割にしては美味しくない
○あまり美味しいとは思わない
○やはり秋田の酒が一番
○前の酒(稲花かもし酒)よりは美味しいんじゃないかな
いろんな意見が出ましたが個人的にはまあまあ飲める酒だと思いました。


ミスターAさんの評価

@色つや・香り=4点
香は紹興酒に通じるものがあり、カラメルあるいは醤油系統の熟成っぽい香に感じた。やや枯れた感じ。長期モロミか?色つやは特筆すべきものではないと思う。端的に地味な熟成酒といった趣。

A味わい・口当たり=6点
どっしりとした印象。常温では、旨みを感じるものの、いまいちピントが合っていない感じ。甘味と酸味主体の熟成した味わいを引きずる。
燗をつけると(ぬる燗ではなく、高めの温度が好みだった)、化ける酒。ふわっと甘味が脹らみ、ばらばらだった味わいを、包み込む。ただ、余韻が長いというか、口の奥で苦味と甘味がいつまでも残り、私には重過ぎる印象。盃がはかどらない。寝る前に、お猪口で一杯で十分という感じ。こってりとしたミソ料理などと合うだろう。

B総評=6+1点
前回の飲みやすい純米酒とは、まるで対極にあるような酒であり、淡麗好きな方は飲みきれないかも(笑)
燗をつけて、初めて真価が発揮されるお酒だと思う。私は呑んだ事はないが、「金寶・自然酒」もこんな系統ではないのだろうかと、考えてしまった。すうーーっとキレがよく、香もよい売れ筋なお酒ではなく、田舎で頑固一徹こだわって醸してますってな感じ(笑)
こういう蔵元があるから、楽しい。きっと、この味わいじゃなきゃだめだという、地元ファンがいるのではないかと思った。
これほどまでに、くわしい酒歴書も珍しい(掛け米の割合まで記載されている)が、720ml   881円という価格は素晴らしい。複数種の酒米でかもし出される、この酒の酒歴書からは、蔵の努力がうかがえる。というわけで+1点させてもらった。


猿田寿男さんの評価

@色つや・香り=6点
色、香りは、まあまあと感じました。

A味わい・口当たり=5点
とにかく甘過ぎます。こういう甘い酒を好まれる人もいると思いますが。私はちょっと戴けないですね。

B総評=長引いた風邪で報告が遅れたことについて申し訳ありません。今度の酒は、冷で飲んでも、間で飲んでも甘すぎました。


小島潤二さんの評価

@色つや・香り=4点
独特の香りが強すぎて、最初の一口はまだしも多くは飲めない。

A味わい・口当たり=4点
口当たりは柔らかいが、1の香りの関係で一度に多く(1合以上)飲もうという気が起こらない。

B総評=4点
1,2の項目で述べたことに尽きるが、開封一番感じたのが抵抗感だった。それでもこちら側の体調とか酒の肴などに影響されることもままあることなので、いろいろ変えて飲んでみた。
結論は、燗をした方が癖が薄まり飲みやすい。肴は前述のごとく個性の強い酒なので、味の濃いものが適していた。小生、酒に関しては好悪が激しい方(日本酒はもとより、ウイスキー・焼酎などは飲めないものは徹底的に飲めない。参考になるかも知れないので具体例を挙げておく。バーボン:アーリータイムズ焼酎:真露など)なのでそのことを頭に入れて読んでいただきたい。

【寸評】
 今回は私は非常に厳しい意見をいただいたと感じています。そもそも今回の酒は最初の予定にはなく「地元銚子の評価をどうしても聞きたい」との思いから急遽変更した物です。自分は徳明の蔵元「飯田酒造場」に親しく出入りさせてもらっており親交を深めております。そういう関係からこの酒の評価と第三者の率直な意見も欲しいと考えたからです。

 さてモニターの印象はといいますと、特に香りについて厳しい意見が多いです。香りについては加藤さん、猿田さん以外のすべての方が指摘しています。そのせいで小島さんは「全く飲めないタイプの酒」になってしまいました。秋田の方々は「味噌っぽい臭い」、ミスターAさんはカラメルか醤油系の熟成香を感じておられます。
 実はこの酒は2年ほどの熟成酒です。また濾過を軽くしているため鼻のいい人はモロミ臭を感じます。(モロミは醤油や味噌の醸造時にも相通じる)この辺が相まって不評の原因でったのでしょうか。

 味わいでは加藤さんは『純米酒に対する偏見が無くなった』といい、秋田の方々は『前回の酒よりは旨かったと』感じました。ミスターAさんは『個性的な熟成酒』、猿田さんは『甘すぎる』、小島さんは『全く苦手なタイプ』でした。
これらは総じてこの酒が甘口(日本酒度-8)高酸味(酸度1.8)のせいだと思われます。加藤さんには甘みと酸味のバランスがちょうど良かったのではないでしょうか?秋田の方々は濃い酒になれているのでそれにちょっと近かったのでしょう。ミスターAさんは敏感に熟成感を感じ取り、猿田さんは甘みを強く感じています。
ご本人も言っているように「甘辛」は飲む人の好みですからそれは仕方がありません。しかし酸味が多いので飲んだ感じは(日本酒度の)数値ほどではないと私は思います。

 総評すればこの酒の特長を良く物語っている。「徳明」はミスターAさんが言うように(この味わいじゃなきゃだめ)地元ではかなりファンのいる酒です。漁師や農家の多かったこの地では料理の味付けもかなり濃いめで煮物なども甘辛い味付けです。そういった地域固有の味の特長がお酒にもにじみ出ているのかもしれません。
 この酒は地酒ですから大メーカーや大手の地方蔵のように万人に受け入れられる必要は有りません。個性的でいいのです。しかし普通の純米酒であるのに小島さんのように「全く受け付けられない人」がいるようでもいけません。自分は地元贔屓もあったのも確かですが、もう少しいい評価を得られると思っていました。『香りも味わいも田舎っぽさはあるが旨味もある』と普段から感じていたからです。
今回の結果は真摯に受け止め蔵元に報告致します。特に香りの部分に関しては早く改善する必要を感じられます。ただし今回は熟成した物です。ぜひ今度は新酒で試して頂き、真の評価を得たいと思いました。また小島さんには本当に申し訳なく思っております。

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