千葉の地酒モニター事例発表

第一回モニター酒 「稲花正宗 純米かもし酒」


蔵元:稲花酒造株式会社
千葉県長生郡一宮町東浪見5841
酒データ:
●原料米/八反錦・日本晴・総の米 ●精米歩合/58%以下
●アルコール度/15.7度 ●日本酒度/+3 ●酸度/1.7
当店価格:720ml 1206円
                           
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加藤ひろみさんの評価

@色つや・香り=8点
A味わい・口当たり=6点
B総評=7点
第一印象としては大変重い感じのするお酒でした。わりとさらりとした味わいになれている私としては、しっかりと呑んでいる感覚を実感しながら呑みました。
最初は冷やで呑んで、次に熱燗にしてみましたが 熱燗にすると重みが尚一層感じられて普段食べている肴よりはすこしあっさりした物のほうがマッチしているようでした。冷奴や、いか納豆と一緒に呑むのがベターかと思いました。 将に冬場にマッチしたお酒でした。


樋口博美さんの評価

@色つや・香り=色つや4点・香り5点
A味わい・口当たり=味わい5点・口当たり3点
B総評=酒仲間と一緒に呑んでみました。出席者 50代男性3名、50代女性1名、40代男性3名です。全員がのん兵衛です
唯一メンバーの中で一番上品と?思われる男性は今回欠席でした。
今回用意したもの=秋田の酒 太平山 生もと純米。まずはじめに両方を飲んでみて、どちらがうまいかという問いに対して全員が太平山と答えました。
全員の意見を元にするとこうなりました。
うすい、水くさい、まずい、コクがない、後味が悪い、口の中で香りがきつい、ワインみたいだ、などという意見が出ました。辛辣な意見ですいません。
やはり秋田県人の口には合わなかったみたいですねえ。感じとして、秋田の酒はとろっとしたようなちょっと濃い系、かもし酒はさらっとしているうすい系....かな。
いつも飲んでいる秋田の酒が一番うまい、という意見も多々ありました
今回用意した太平山は特別高い酒ではなく普通に飲まれている酒です。温度は冷やして{といってもほっとけば冷えているんですが}飲むのが好きなので暖めては飲みませんでした。


ミスターAさんの評価

@色つや・香り=8点
純米酒なので、吟醸香は期待していませんでした。冷えている状態で、穏やかで、立ち香・含み香ともに穏やかです。
香が、穏やかなので食中酒として適していると思います。色は、うっすら山吹がかっています。つやもあり、見た目はいいと思います。ぬる燗をつけると、アルコール臭が気になり、冷えた状態より劣ります。

A味わい・口当たり=7点
冷えている状態で、口に含んだときは「生酒or生詰め」かと思いました。
瑞々しく、フレッシュな感じがしました。
まず、口あたりは柔らかく、すぅーーっと口の中に引っかからずに入ります。
最初に感じるのはフレッシュさと軽い甘味。味のふくらみは、淡麗からやや中口に感じます。すぅーーと綺麗に、滑らかに広がります。透明感があります。
終盤、喉の奥でわずかに酸味と辛味をやや感じ、最後に苦味・渋みで味を締めつつ、切れていきます。
燗をつけると、序盤から苦味・渋みが際立ち、後味に難があります。

B総評=7点
純米酒ということでしたので、ぬる燗をつけつつ、冬の味覚とじっくり呑めるお酒かと思っていましたが、フレッシュできれいな酒質に驚きました。蔵・千葉県の特徴なのでしょうか?
フレッシュな酒質ですので、燗あがりは期待しませんでしたが、実験的にやってみました。やっぱり、だめでした・・・。(笑)
冷蔵庫から出してきて、すぐがベストの飲用温度だと感じました。フレッシュ、柔らかく、スムーズで軽く、透明感のある酒質です。
常温に近づくにつれ、後味の渋み・苦味が口に残るように思います。
あっさりした味わいなので、おでんよりも、お刺身なんかとあわせて、冷えた状態で呑みたいですね。日本酒を呑みなれていない方、あるいは軽いお酒を好む人には、受けがいいんじゃないでしょうか。
味わい的には、香があったなら、純米吟醸と間違えるかもしれません。
個人的な好みからすると、ど真ん中ストライクではありませんが、このお酒のよいところも十分感じます。
多くの人に、受けがいいお酒だと思いますし、こういう酒質が好みな人は、9,10点をつけるのでは無いでしょうか。


猿田寿男さんの評価

@色つや・香り=色つや6点、香り6点
少し色がある澄んだ感じがします。香りは結構強く個性がある感じです。

A味わい・口当たり=味わい5点、口当たり5点
純米酒と言うとおとなしい口当たりが一般的ですが、この酒は、かもし酒らしく結構主張している感じです。ただ、味は普通に思いました。

B総評=千葉の地酒モニターに当選させていただきありがとうございました。 
待ちに待った酒が届き、女房と二人で早速試飲しました。稲花の酒は、過去にも絶品の酒があり(昭和57年頃の大吟醸)、思い出のある酒なので、楽しく飲まさせていただきました。
私は、冷酒で飲むのが好きなのですが、今回の酒は、普通の純米酒とは異なり、個性があり、まあまあいける酒だなと感じました。


小島潤二さんの評価

@色つや・香り=あまり意識をしない項目なので、他の酒との比較はできませんが、わずかに琥珀色がかった色を感じました。香りは純米酒らしい米のにおいを比較的強く感じました。

A味わい・口当たり=三度に分け、温度を変えて飲んでみました。
 T、ほぼ常温:これが一番米のにおい(いやなにおいはありません)を強く感じました。口当たりは柔らかくすっと入ってきます。
 U、冷やして:米のにおいは無く、すーっと喉を越してしまう感じです。これが一番飲みやすいかも知れませんが、逆にこの酒の特長を感じにくく、一番もったいない飲み方かも知れません。
 V、燗:米の臭みが出るのではと心配したのですが、全くありませんでした。燗によって無個性化してしまうのではという懸念がありましたが、それまでの二通りの飲み方と比べても、その特長はしっかり残っていました。

B総評=料理との相性が良い酒という印象でした。あまり脂っこい食べ物は除きますが、ほとんどの食べ物と合うのではないでしょうか。言い方を変えれば、腰のしっかりした酒と言えるでしょう。そうは言っても決してしつこいわけではありません。それ故、長く飲み続けても飽きることは無いと思います。(実験していませんのでそれ以上言えませんが)酒の中には、最初の口当たりは良いが1合も飲むともう少し淡泊なものが欲しくなるような強すぎる個性を持ったものがあります。(もう一方でサラッと口当たり良くいつまでも飲めるが結局無個性だったというものもあります。)この酒は、そういう酒とは違うという意味です。
飲み方は、今の時期の常温がベストと感じます。冷や・燗ではこの酒の個性が出にくい(従ってもったいない)感じがします。
価格が分かりませんので何とも言えませんが、晩酌用の酒(私の基準は1升3000円以下です)としては選択肢のひとつになり得る酒と言えるでしょう。
【寸評】
 のっけから大変面白い結果でした。まったく正反対の意見があったからです。
加藤さんは『重い感じがする』といい、樋口さんは『水っぽい、コクがない』と感じました。これはやはり普段呑んでいる酒の影響でしょうか。加藤さんの好きな酒は新潟の「朝日山」であり、樋口さんは「生もと造りの酒(太平山)」と呑まれました。淡麗な酒を飲んでる加藤さん、濃純な秋田の酒を好む樋口さんではこういう評価になるのは当然でしょう。

 5人のモニター評価をよく見れば概ね同じことを言っていると思われます。
稲花純米「かもし酒」は純米酒としては香り(ただしこの香りはいわゆる吟醸香ではなく蒸し米、モロミに由来するもの)が高く、非常に口当たりの柔らかい繊細な感じのする印象です。香りに関しては多くの人が『強い』と感じています。

 味わい・口当たりに関してはミスターAさん、小島さんは『柔らかい』と評価しています。また小島さんは『生酒と思うほど瑞々しくフレッシュ』と評価しましたが、その辺を樋口さんをはじめとする秋田の方々は『うすい、水っぽい』と感じたようです。

 全体では概ね好印象だったと思います。値段が手頃な純米酒としては優秀ではないでしょうか。当店の販売価格(配送梱包代含む)は1206円(蔵元の標準価格は幾分安い)ですが、それを考えればいい造りの酒だと思います。
ただ欠点もあります。繊細な口当たりなので純米なのにお燗にはあまり向いてないところ。ミスターAさんも指摘していました。
また私の知人では「開封したら次の日にはがらっと味が変わってしまうほど繊細な酒質」という意見もあります。
 ま、その辺は早く飲んでもらうとして、常温または冷して呑んで頂ければ(濃い酒が好きな人をのぞいて)充分楽しんでもらえるのではないでしょうか。

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