『吉寿/吉崎酒造』紀行


 藤平酒造の向かいにあるのが「清酒・吉寿」の醸造元「吉崎酒造」です。こちらは今回が2回目の訪問となる。

 吉崎酒造は千葉の酒蔵で最も古く、創業はなんと寛永元年(1624年)にあたる。400年近い歴史をもつ蔵だ。古い酒造の歴史に貴重な文献も数多くあるそうだ。原当主・吉崎明夫さんを訪ねる。

 吉崎酒造は久留里街道に面した久留里の中心部にある。道路に面した所に直売場兼事務所があり、通路を挟んで反対側に作業場を構える。間の通路を入ると正面に酒造蔵が見える。奥へ入れば入るほど広くなる造りだ。県内では佐原地区などによく見られる。
事務所にまず入った。

 「いらっしゃい。」やさしく穏やかな風貌の当主、明夫さんが出てきました。まだ若く、そう私と歳が違わないような気がします。
 この時期は仕込みがないので奥の蔵はひっそりしていますが、隣の作業場はギフトの出荷でかなり忙しそうです。お中元の季節ですからね。暮れに続くかき入れ時です。

 事務所兼売店には、販売用のお酒と試飲用のお酒が用意してあります。でも藤平酒造とは異なり、店売りをそれほど重視している感じではなく、あくまで卸がメインなんでしょう。
 店内の壁には見たこともないラベルが貼ってあり、昔の銘柄なんでしょうか?歴史の深さを感じます。
 「福井県の吉崎村の出身のようです。どういう経緯でやってきたのかはわからないんですが。
出身地から屋号は『越前屋』で、昔からの取引先や地元の人には、今でも屋号で通っているという。かつての精米所は、見学室として利用されているが、そこに展示された陶製の大とっくりや酒樽に越前屋の文字が描かれている。

 事務所を出て蔵に案内してもらいました。
すぐ右手には観賞用の植え込みがあり、地下水が湧いています。そこからまた少し歩くと仕込み用の井戸があります。
上総堀で掘った井戸はナント500m以上の深さがあり、自噴しています。つまり汲み上げなくても水圧で自ら吹き上げているということです。それほど水が豊かなんですね。

 この井戸からでる水は軟水です。地中深く染みこんだ水が長い年月を経てわき出しています。
うちの酒はこの水を使った柔らかい酒が特徴です。
なるほど、ここの酒は淡麗でやさしい風味の酒が多い。
造りは何の変哲もない速醸造りだが、立地の特徴をいたした酒造りをしているといえる。
酒造りは新潟杜氏が近くの蔵と掛け持ちで務める。酒が淡麗なのは新潟杜氏のせいもあるか。

 蔵はやはり古く、江戸時代のものを修繕しながら使い、後から付け足した明治〜昭和期の建物もある。
現代の最新鋭の蔵とは比べるまでもないが、酒造りの風情はこちらの方が上かな。

 若い当主は、傍目にそれほど貪欲には見えない。育ちのいいせいか?
 しかし、せっかく好環境にあるのだから、第三者的にはもっと貪欲になって欲しい。いい酒を造れば売れる土壌はあるのだから。
 幸い、最近出した無濾過の生原酒、ひやおろしシリーズは好調らしい。大吟醸の月華も人気シリーズだ。
いい杜氏、いい米、いい水があればいい酒ができる。後は情熱を注ぐだけ!
お願いしますよ、吉崎さん。今度は造りの時期に来ますから・・・。


date=2006.7.11(Tue)/PM3:30頃
天気=曇り
【釜場】 昔ながらの甑で蒸す。筒はお米を運ぶエアシューターか。


【すのこ】 蒸した米を放熱するためのすのこ。この上に蒸し米を広げる。


【麹室】 この中で製麹をする。かなり広い。


【天井の梁】 高くて太い立派な梁。これだけのものはココだけとか?


【井戸1】 仕込み用の水を汲みあげる井戸


【井戸2】 観賞用につくってある水飲み場。


【蔵元】 吉崎明夫氏。若いです。
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